明智兼光と長久手合戦

企画展「明智兼光と長久手合戦」

愛知県犬山市の犬山市文化史料館「城とまちミュージアム」では7月16日、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公明智光秀が所有していたとされる脇指「明智兼光」の特別公開が始まりました。刃渡りは約50センチ。刀の持ち手で柄に隠れる部分には光秀の官職だった「日向守」という文字が刻まれています。展示は9月8日まで。

脇指を所有する公益財団法人「犬山城白帝文庫」によると、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて活躍した刀工の備州長船兼光によって作られたもので、詳しい資料は無いものの、明智光秀が所有したのち、徳川家康の手にわたり、1584年の「小牧・長久手の戦い」で手柄を立てたとして、徳川家康の側近で後に犬山城主となる成瀬正成に与え、成瀬家が代々、保管してきたそうです。

成瀬正成の末裔で、白帝文庫の理事長を務める成瀬淳子さんは「光秀や家康から渡った脇差しを見ることで、戦国時代の流れを感じてほしい」と語りました。企画展では、この脇指とともに成瀬正成の活躍を描いた長久手合戦図屏風(正本の展示は8月6日まで)や伝豊臣秀吉所有の風呂道具一式などが展示されています。